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第一話 [第一話「雨傘」]

俺の名前は草野 護(クサノ マモル)

ごく普通の高校2年生である、親も離婚し俺はどちらについていくでもなくひとり暮らしを始めた。

金に困ることもなく、ただ普通に、平和に暮らしていた。

ただ…彼奴が現れるまでは・・だが。



「やっべー補習受けてたら遅くなっちまったわ!!」

護は急いで教室を出て昇降口へと急いだ

「うっわ!雨?!しかも暗ッ!!!!俺暗いところ苦手なんやけど・・・・あー!!もうくそっ!!!」

俺は猛ダッシュで家へ向かった、今の季節は冬、冷たい雨が俺の体にあたる、やばい死ぬかも。

すると、後ろから誰かに袖を捕まれた

「え・・?」

驚いて後ろを向くと…

「護君、久しぶり大丈夫?傘ないの?」

「なっ・・お前…綾崎?!」

「あ!覚えててくれたんだー!やっべー嬉しい」

「あ・・そ…そんなん、忘れるわけないやろ・・」

「…傘無いんでしょ?家まで入れてあげるよー」

綾崎は俺の頭の上に傘を持ってきた。

「あ、ぅ・・じゃあ入れさせて…って!男同士じゃ気持ち悪いっちゅうの!!!」

「え?じゃあ濡れちゃうよ?あ!じゃあ僕の家来るー?きっと護君の家より近いよー」

「あ・・そうだよ!お前いつこっちに戻ってきたんだ?」

「昨日だよ、まだ部屋ダンボールだらけだけどいい?」

「ひ・・ひとり暮らししてるん・・?」

「うん、護君も?」

「ああ」

「じゃ、行こうか?」

「う・・うん」

何故俺は意識してしまうのか・・きっとそれは、昔のあれのせいだと思う。

「着いたよ、小さいアパートだけど中はすっごい広いんだよー」

おじゃましまーすと、俺はゆっくり靴を脱ぎ綾崎の部屋に入る

「今タオル持ってくるからそこらへんに座ってて」

そこらへん・・ってダンボールで床が埋め尽くされてて座れる床面積がないんだけど・・。

しょうがなく俺はベットの上に座った、やばい・・緊張・・する。

「ほいータオル」

「さ・・さんきゅぅ~」

俺は綾崎の様子をうかがいながら言葉を発する

「あのさ・・お前、まだ…」

「ん?」

「俺の事好きなん?」


少し間があき、綾崎が近づいてくる

ギシッ

綾崎の手がベットについた、顔がすごく近くて恥ずかしくなる

「好きだったら・・どうする?」

そういって綾崎はもっと俺の顔に自分の顔を近づけて・・

「あやさ・・んっ」

キスをした。

「好きだよ、今でも、ずっと、これからも・・ね」

にっこりの笑顔を俺に見せた。

「ばっ!!!!ばっか!くそ!そこどけ!帰る!!!!」

俺は恥ずかしくなり立ち上がり玄関へ向かおうとした

「だーめ!…逃げるなよ、護」

だめだ、逃げられない・・恥ずかしすぎる、綾崎の想いは昔と変わらず、そして、俺も変わっていない…綾崎がまだ好きなんだ。

「だめっだつの!俺今ぜってー顔赤いし!」

「バカだな~・・俺はお前のその顔が一番すきなんだよ?」


第二話に続く

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